ぎっくり腰について

こんにちは。

今回の腰痛コラムは『ぎっくり腰』についてです。

当院は、HP上では長引く慢性の痛み専門としていますが、実際はぎっくり腰などの急に痛くなるタイプの腰痛も施術しております。

まずぎっくり腰の特徴についてですが、これは皆さんご存じのように、とても強い痛みが出ます。

私自身は経験がないのですが、顔をしかめて来る方がほとんどです。ヨーロッパでは『魔女の一撃』と呼ばれているくらいです。

ぎっくり腰の厄介なところは、基本的にはなんの前触れもなく突然起こるところです。そしてそのまま動けなくなってしまいます。（中には、そろそろ来るかもな…とわかる方もいらっしゃるようですが）

ぎっくり腰のきっかけとして『重いものを持ち上げようとしたら…』『シャッターを開けようとかがんだら…』というように、前かがみになる動作で痛めてしまう方が多いのですが、その他にも『椅子から立ち上がろうとしたら…』『草取りをしてしゃがみ込んでいただけなのに…』というように、座ったり、しゃがみ込んだりした際に痛めてしまう方もいらっしゃいます。

強く鋭い痛みで『腰になにが起こっているんだ？？』と思いますよね。

でも体内でなにが起こっているかは、実はまだはっきりとはわかっていません。

腰を支える筋肉や靭帯（じんたい）というものに負担がかかったり、背骨と背骨のあいだに挟まっている椎間板に負担がかかるなどして、神経を刺激するものと考えられています。

次に、ぎっくり腰のセルフケアについてお伝えします。

お客様からのご質問で多いのは『安静にした方が良いか？？』『温めた方が良いか？？　冷やした方が良いか？？』の2点です。

まず1つ目の安静にすべきかどうかについてです。

基本的には、安静で大丈夫です。強い痛みが和らぐまで、無理をせずゆっくりと休みましょう。

寝方のアドバイスとして、ぎっくり腰直後の痛みが強く出ている時は、横向きで、膝を軽く曲げると腰への負担が少なくなります。

仰向けで寝る場合は、写真のように膝を軽く曲げて、膝下にクッションやバスタオルを挟むと効果的です。

2～3日経過して、少し楽になってきた場合は、動ける範囲で動きましょう。ベッドで寝たきりではなく、日常生活でできることがあれば行いましょうという意味です。

次に2つ目の患部を温めるべきか、冷やすべきかですが、患部はまずは冷やしましょう。

氷嚢や保冷剤をタオルでくるんで、患部を15～20分ぐらい冷やしましょう。冷湿布があれば、患部に貼るのも良いですね。

このように、発症してから2～3日までは患部を温めることはできるだけ避けてください。痛みが強くなってしまうことがあります。ですので、その期間はお風呂は短めにしましょう。夏季であれば、シャワーだけで済ませられます。

温めるのは、痛みが少し落ち着いてからで大丈夫ですよ。痛みの程度にもよりますが、4、5日～1週間程度経過したころからがおすすめです。

その他のセルフケアとしては、ぎっくり腰発症後1週間程度は食べ過ぎないことが大切です。

腰を痛めると、あなたの身体は腰を治すことに集中したいのですが、食べ過ぎてしまうと、そのエネルギーが消化、吸収に吸い取られてしまいます。

消化、吸収はけっこうエネルギーを使うので、身体としてはやることが増えてしまい、腰を治すことに集中できません。

特に夜ご飯をたくさん食べてしまう方が多いので、注意しましょう。

ここからは、当院のぎっくり腰の施術についてお伝えします。

＊発症後0～3日の場合＊

ぎっくり腰を発症した直後の痛みが強く出ている時期は、あなたの身体の中では、炎症（えんしょう）反応というものが起きています。

炎症反応とは、『痛みを出しますから、おとなしくしててくださいね』という身体からのメッセージとお考え下さい。

この炎症反応は、身体のシステムとしてどうしても避けられません。

ですので痛めた程度にもよりますが、基本的には2～3日はどうしても痛いです。

『2～3日はどうしても痛いんだから、この時期に施術する意味ってあるの？？』と読者の方は思うかもしれませんが、意味はありますのでご安心ください。

ぎっくり腰になる方は、もともと、ある程度腰に負担がかかっている状態なんですね。

少しずつ腰に蓄積された疲労があり、その疲労がなにかのきっかけで限界を超えると『ぎっくり…』となるわけです。

ですので、この時期のぎっくり腰のお客様に対しては、1回の施術で痛みが治まりすたすた歩いて帰れるようになることを狙うのではなく、もともとあった疲労をできるだけ取り除いて、少しでも早く痛みが治まっていくように施術しております。

＊発症後4～5日の場合＊

この時期のお客様は『痛みのピークは過ぎたけど、まだ痛いです』という方が多いです。

まだ痛み自体はありますが、ピークは過ぎたので、発症直後よりは動けるようになり、ぼちぼちといった感じです。

この時期の施術方針も、基本的には発症直後のときと同様で、腰に蓄積された疲労を取り除くことですが、違いもあります。

1つめは、圧のかけ方です。

発症直後のときは、うつ伏せや仰向きになることすら辛いというお客様もいらっしゃいますので、その方の年齢や体格、痛みの程度にもよりますが、無理に圧はかけずソフトに行うこともあります。

発症後4～5日経過している場合は、痛みが少し落ち着いてきている状態ですので、やや圧をかけながら行うことが多いです。

ただし、痛みの感じ方は人それぞれなので『大丈夫ですか？？』とお声がけしながら行いますのでご安心ください。

2つめは、患部に触れるかどうかです。

発症直後のときは、前述したように患部に炎症反応というものが出ているので、ほとんど触りません。患部をガシガシ施術してしまうと、炎症反応を刺激して、痛みが強くなってしまう可能性があるからです。

発症直後は、患部に張りを感じる方が多いと思いますが、身体はその張りで身体自身を守ろうとしています。

硬く、張りがある方が（動きには弱いですが）安定しますよね？？　ですので、その張りを緩めてふにゃふにゃにしてしまうと、腰が不安定になり、かえって治りが遅くなってしまう場合さえあります。

一方、発症後4～5日経過している場合は、患部を施術することもあります。やや圧をかけたり、残りの痛みがスッキリ取れるように施術しております。

＊発症後1週間前後の場合＊

この時期は『だいぶ良いけど、まだ少し違和感があります』という方が多いです。

この時期の施術は、ほぼ通常通りです。

残りの違和感が経過と共に和らいでいくように、カイロプラクティックでバランスを整えていきます。

お客様としては痛みが治まりつつあるので、少しずつ気持ちに余裕が出てくる反面、『いつかまたぎっくり腰を繰り返すんじゃないか…』と不安になる方もいらっしゃいます。

よく『ぎっくり腰ってクセになりますか？？』と、ご質問をいただくのですが、前述したように、ぎっくり腰を起こす人の腰にはもともとある程度の負担がかかっているので、その生活習慣を改善すれば、クセにはなりません。

例えば重いものを持つ仕事や、長時間座るデスクワークの方など、お仕事の場合はしょうがない面もありますが、食べ過ぎによる胃腸の疲れ、体重増加も腰痛の一因なので、できる範囲で改善してみましょう。

あとは、ぎっくり腰の方をカウンセリングすると、そのとき疲れていたという方が非常に多いです。『仕事が忙しくて寝不足だった』『家族のことでバタバタしていた』などです。

腰痛と聞くと、姿勢や歪みなど物理的な原因を想像する方が多いですが、ストレスも大きく関わっていますので、忙しい時ほど要注意です。

このように、発症後1週間前後の方へのサポートとしては、施術だけでなく、予防に向けてのアドバイスや、腰痛への不安をできるだけ少なくしてお帰りいただくことにも力を入れております。

今回はぎっくり腰についてお伝えしました。

発症直後のように、まだこれから痛くなるかもしれない人を施術する場合と、ピークを過ぎた治りかけの人を施術する場合とでは、施術内容が異なりますが、それぞれに目的や理由があります。

お客様には、きちんとご説明させていただいておりますのでご安心ください。

その他、ぎっくり腰になりやすいのは特に9～11月、3～5月と言われています。

要するに季節の変わり目ということです。

季節の変わり目は、寒暖差が大きく、からだの中の自律神経というものが乱れやすいので、不調があらわれやすい時期です。

当院のお客様もその時期にぎっくり腰や、ぎっくり腰までいかないけど急に腰が痛くなったという方の来院が増えますね。

少しでも早く、そのおつらい痛みが治まっていくように精一杯サポートさせていただきます。

ぎっくり腰をはじめ、腰痛でお困りの方はお気軽にご相談ください。